Registered 2022.01.10 Update 2023.05.21  自己防衛:必須なIT知識とQ&A

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言葉は悪いが「一番馬鹿に合わせる」慣習

年齢性別問わず指示通りしか動かない人、指示通り動きたくない人、指示を覚えられるのは直前1つだけなど、様々な人が存在し、その人たちを含めて社会は成り立っています。

様々な人が扱う事を念頭に置いたソフトウェアを開発するとき、「そのシステムを扱う人の中で一番馬鹿に合わせ設計」をするそうです。

見た目や操作性を既存のアプリに似せたり、必要なボタンは必要な時だけ表示する、注意文は読まれないからエラー表示で強制的に操作を受け付けなくするなど、いろいろな対処法があります。

色や表示の仕方、操作性などはユーザビリティ(使用性)という言葉で表現され、業界により定義や評価補法などが異なります。

ユーザビリティについては、国際規格ISOの「ISO9241-11」規格を調べてください。

ISO規格(国立国会図書館)」から探すこともできます。

できない人に合わせる理由

できない人にはできない理由があります。障害の有無や年齢性別は関係ありません。できないものはできません。

人は生まれるときに能力の7割を親から遺伝で受け継ぐそうです。つまり、7割はすでに確定しています。努力でどうとか言われても無茶です。

私は駄文生成は得意ですが、お役所文章が苦手です。

また、作業指示で口頭説明しかしないのは論外です。実社会では「口頭指示しかしない人」は言った言わない論に持ち込んで自分の責任を回避するとみなされ、あまり信用されません。

指示や手順書の問題とは

その手順書は本当にわかりやすいですか、誰でも理解できる用語を使っていますか、作業手順に作業フロー図はありますか、作業手順を順番に書いていますか、どこにどの情報が書いているか一覧できていますか。

その操作は手順が複数ありませんか、1度に何パターンも教えていませんか、今覚えることと後で覚えることを切り分けていますか。

教育担当者やアプリ作成者は作業手順や内容を理解していますが、説明を受ける側は多分初めてです。

ところで、

あなたは上記のように一気に捲し立てた説明を受けたいですか?

誰でもわかるものは作れない

社会に出てからよく聞く言葉、「誰でもわかるもの」というあいまいな表現の「誰」ってダレですか?

「誰でもわかるもの」の定義とは?

対象が不明瞭で「誰」が何を意味するのか分かりません。

という感じなので、システム開発では「そのシステムを使うことが想定される集団内で一番馬鹿に合わせる」ことが一般的です。

手順書も同様に考えるとわかりやすいです。作成する側の作業は増えますが、これで理解できなきゃ別の業務に異動の判断もしやすくなります。

動かない人は社内の制度で動かす

「私には難しい」とか「〇〇〇さんなら得意だから」とか「〇〇〇さんじゃないと」など自身ではやりたくないので人に押し付ける人の場合、どんなに事前準備をしてもやりません。

口は出しても手を出すことはありません。他人にやらせて自分の手柄にします。「人に教えると再確認になる」系統の社交辞令を言葉通り受け取る、「あなたのためにもなるのね」と押し付け先認定したりと、厚顔無恥っぷりを発揮するだけです。

もちろん、作業者には何の益もありません。時間を食いつぶされるだけです。

利益は欲しいが自分の責任を徹底回避するために手を出したがらない人の対策として簡単なのは、配置換えや押し付け先の存在を消すことです。

しかし社内全体で使うシステムを作る場合、上記の方法では対応が難しいです。

アプリ開発や手順書でどうにかできるものではないので上司に相談してください。上司の立場なら関係者と会社の事情と法律を考慮し、答えを導いてください。

押し付け人が自力で操作を始めた事例

勤め先が全社内で使うシステムを導入した際、「使わないと仕事にならない」「ユーザー登録で全員を管理」「代理操作機能も搭載し、代理人名も強制表示」など何でも履歴が残るようにしました。

押し付けられた人が真面目に代理人機能を使うために「押し付けられ履歴」まで残ってしまい、それを知られたくない押し付け側が自力で操作するようになりました。

履歴は問題発生時の検証で使うためのモノですが、意外なところで役立ちます。

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