Registered 2022.01.10 Update 2022.03.13
資料を作り慣れていない人に資料を作らせると、赤青緑黒の4色の文字、多色多線種のアンダーライン、太字、フォントいろいろなど、A4用紙サイズ1枚にこれだけ詰め込んでくることがあります。
本人にとってはすべて重要事項なのはわかります。不要でないのは十分に承知しています。
ただ、何かの売り込みポスターではなく会社の資料です。
一切の説明をせず、その色分けの意味は相手に伝わりますか。太字の意味やアンダーライン、フォントの違いにどんな意味があるか、一目で相手がわかってくれますか。
目立つようにするのはわかります。でも、相手に何を伝えたいかが見えないのは不要です。
さらに言えば、ごちゃごちゃしていると見る人の視点移動が多くなり集中力を失う現象が発生します。Web広告が邪魔で記事を読む事に集中できない事例がこれに当てはまりますが、動かない紙面でも同様です。
老眼に約款のような小さい文字、長文嫌いにみっちり長文、空腹時に飲食物の広告は明らかに人の集中力を奪います。
ゲーマーに最新ゲームの広告、スイーツ好きにスイーツギフトの広告などは広告としての意味はありますが、別の長文を読んでいる途中に挿入されると気が散ります。
紙面やページ内の一部だけルールを外れた箇所、本文とは全く関係のないイラストや画像、これらも気が散る要因です。
どんなものにも対象に考慮した基本的なルールがあります。
色分けは使いようによってすごくわかりやすい資料になります。
グラフは色分けかハッチング等の塗分けがあると一目で区別がつきます。
表は一行ごと、5行ごとなどで背景色や罫線が変わっているとデータを追いやすいです。Webならマウスを置くと背景色が変わるといいですね。
ただし、これらはカラー表示しかしないことが前提の作り方です。
近頃は紙に印刷せず画面上の表示で完結することも多く、色分けを気にしない人いますが、万が一モノクロ出力をした場合、本当にその色分けで意味は通じますか?
見ている人はその色をあなたと同じ色で見ることができますか?
工学系、WEB、DTPの現場にいると「色分けだけで識別は不可」と習います。なぜでしょう。
障害で色の見え方が変わることもありますが、年齢で色の認識が変わります。若いと知らないでしょうが、ピンクの認識違いで結構「えっ!」という経験があります。
また、日本人の色弱割合は、男性の20人に1人、女性は500人に1人と言われています。色分けされた識別シールを理解できない人でも、自身が色弱と自覚していない人もいます。
建設コンサル勤務時代にISOの識別で「色シール」を使いましたが、数人は「お前どうした?」と言いたくなるほど誤認識していました。後で知りましたが、やや色弱だったそうです。
ということで資料作成では以下のような暗黙のルールがありました。ただ、これは学生時代からレポート作成で指摘される人が多く、習うというより慣習で使っていた気がします。
蛇足ですが、上記は見た目への配慮以外に「一目で相手に理解させる」ことで相手に余計なことを考えさせず次を読ませるという意図も含まれます。