Registered 2022.04.02 Update 2023.05.21  技術習得:業務系アプリQ&A,独自開発

目次

Excel計算が出来ない人が与える影響

勤め先で冊子作成などで使う入稿データにあらかじめルールを決めています。

基本的に入稿したExcelなどの「計算は行わない」ことにしています。

なぜならば、間違った時のリスクが大きすぎるから。

例外で集計や解析等の作業込みの業務もありますが、必ず発注担当者が確認することが前提条件です。

入稿データを確認すると計算式の参照セルが間違ってるとか、行列がおかしいとか、計算式が間違ってるとか、単位換算が怪しいとか、割合計算がおかしいとか、いろいろあって問い合わせしたら表自体が削除になるケースもあります。

受注時に業務全体のスケジュールが組まれるので納期は決まっています。余裕を持ったスケジュールを立てていても、入稿データがおかしい時点で余裕がなくなり、こんなデータを入稿する人はその後も問題を起こすので、最終的にどこかに負担が生じます。残業が無くならない理由の一つです。

自身が出来ないなら、出来る人に依頼することも仕事です。

Excelの割合計算がおかしい

問題1.端数を四捨五入していない

Excelはセルの書式設定で%表示が出来たり、見える桁範囲を指定できます。

Excelで割合計算がおかしい例1

上図は明らかにおかしい場合です。

見かけ上は「33.3%×3=99.9%」にならないとおかしいのですが、実際は「33.33333...×3=99.9999...を四捨五入して表示するから100.0%」となっています。

Excelは表示する数値と実際の数値が異なって存在できることと、使用者が指示したとおりに計算するので、このような面白現象が発生します。

実際の数値は計算で端数処理しない限り、小数第13位くらいまで保持しています。セルの書式設定で「数値」を選択後、小数点以下の数値を見るとわかります。

表示と実値を同じにするには以下のように正しく計算してください。

=ROUND(B2/B5,3)*100 ※ROUND(計算式,小数点の桁数)

ROUND関数は四捨五入のことで、上記の場合は小数第3位にしています。さらに100倍することで%値に置き換えています。

また、表内の数値に%を付けると鬱陶しいので、項目名か表外に追いやってください。

問題2.合計で100%になっていない

実際の合計99.9%に対し、合計が100%になってしまった謎の解消法としてもう1つすべきことがあります。

下図は間違いがあるのですが、わかりますか?

Excelで割合計算がおかしい例2

問題は2つ。合計に100%を手入力していることと、計算時に割合の端数処理をしていないこと。合計値に直接100%を入力するなら、どこかで端数処理しなければなりません。

上図の場合、合計を必ず100%にしたいので、項目「その他」は100%からその他の値を引く必要があります。

=C5-SUM(C2:C3)

今回はよくある解消方法を使いました。

端数をどこで解消するか、ルールを設けてください。

ちなみに、経験上ですがこの処理をして入稿してくれる人は少ないです。なので割合計算を見たときは異常なまでにチェックしてしまいます。契約外なのでやる必要は無いのですが、気になるしグラフがかけません。

行列の挿入や削除で参照先が滅茶苦茶

表を作りこんで計算まで行った後、その表に行や列を挿入することがあります。

この時に計算式の参照範囲が変わったり、間違った計算式や計算エラーになることがあります。

行列の操作後は、必ず参照先の確認を行いましょう。

セルのコピー&ペーストで計算がぐちゃぐちゃ

計算式のあるセルをコピーすると、計算式と書式も一緒にコピーされます。貼り付けるときに数式だけ、値だけなど何を貼り付けるか選択できますが、数式には注意が必要です。

よくある問題例は、セルの絶対参照($マークで行や列を固定する方法)と相対参照の指定間違いの影響で、意図と異なるセルを計算対象にしてしまうことです。

この状態で入稿されたExcelに遭遇すると「正しいデータをください」と突き返すことにしています。

数式が入ったセルのコピペ後は、必ず数式を確認してください。

値の直接入力と計算式がごちゃ混ぜなExcel表

計算部分に直接入力で値が入っていたことにより、全体がおかしくなっている表が存在します。数値が微妙な違いだと誰も気が付かずそのまま製品になることもあります。

かつて建設コンサル勤務時にも経験(恐怖!Excelが暴く設計ミスを参照)しましたが、気が付く時期が遅れるとダメージが大きく、深いです。

印刷関連の制作担当は「お客さんのデータには手を出さない・計算し直さない、そのまま使う。手直しが必要な時はお客さんに要確認」が基本です。

しかしここで気が付かず、発注側の確認ミスで気が付かず、製品になった後で発覚したときは作り直しです。

余計な時間とお金がかかります。

データ作成する方は「あなたが最終確認者」と思ってください。「誰かが確認する」は「誰かが眺める作業をする」事と心にとめておきましょう。

Excelの計算がおかしいことに気が付く理由

発注側にデータの不備を指摘すると「全部再計算しているのか?」と問われますが、んなことしません。私の仕事ではありません。

ただ、気が付くだけです。

  1. Excelデータを冊子用データに貼り付けているとき、桁数がおかしいことを認識する。
  2. Excelデータを冊子用データに貼り付けているとき、明らかな異常値に気が付く。
  3. Excelデータを冊子用データに貼り付けているとき、簡単な計算間違いがわかる。(1+1=5?って感じ)
  4. Excelデータを貼り付け中、セルを選択した時に見える数式と値の混在に違和感を覚える。
  5. Excel表のタイトル、表組や項目名、セルの結合などに違和感を覚える。
  6. 顧客に渡す見本のチェック中に、同じ数値が入る部分に異なる値が入っていることに気が付く。
  7. 印刷物全体を見たときに名称など定義が異なる箇所を発見する。データ検索をすると異常値まで見つかる。
  8. 入稿したExcelファイルを開いたとたんに悪寒が走る。見える範囲外に問題があっても悪寒が走る。

一部に第六感が混ざっていますが、建設コンサル勤務時に他人の修羅場をたくさん見て、巻き込まれた経験の賜物でしょう。

尚、違和感を放置すると必ず悪いことが起きます。だから徹底して違和感の正体を突き止めることにしています。

先方のデータ作成担当がExcel又は集計できない人だった場合

入稿した時点で「これはなんですか?」と言いたいデータが入ると、その場で今回の発注担当者は問題ありと認識します。

見ただけでわかるなら救いがある、かと思えばもっとひどい。

計算関連の入稿遅延が確定します。

そもそもこの手の集計結果が必要な業務の場合、そのデータ集計や分析結果の文章もセットです。なので入稿時に集計データが無い事自体、本末転倒です。何を作れと言うのでしょうか。

この手のケースでは、当初の予定どおり私は計算を担当しません。

理由は、発注側の担当者が「何をどのように集計し、どのような結果が欲しいのかすら明確に指示できない。見本すら提示できない」ため、手を出すと痛い目を見るからです。

納期が延びようとも発注側の責任で行っていただきます。

勤務先でExcel集計・分析・グラフ作成をする場合

集計とグラフ作成も含めて冊子作成を丸ごと請け負う業務もあります。

見本や集計及びグラフに必要な情報はすべて事前に提供され、入稿データもまともです。

実データ入稿前のスキマ時間に集計用の様式を作ることができるので、スケジュールに無理がありません。

分析結果の文章は発注側が書いてくれるので楽です。

一度請け負うと次回もあったりするのでありがたいですね。

やるべき仕事をできない人が責任者になると残業生産機と化すので要注意

作業者ができない人なのは任命した責任者の問題ですが、責任者自身が問題人物だとチーム全体が苦労します。

こんな人の下で働くと、残業代が稼げます。

稼ぎすぎて月の残業時間上限を超えて振替休日の取得すると平日が連休になります。

Excelで計算等ができない人の悲劇のまとめと対策

世の中には計算間違いに気が付かないうっかりさん、確認など後ろを振り返らない猪突猛進さん、無限の時間を生きる方など、様々な人がいます。

ちょっとの後戻りが許せない人、全部やり直し指示で精神崩壊する人、就労時間に厳しい人などもいます。

算数ができない大人はたくさんいます。四則計算や端数処理などの言葉すら忘れていても珍しくありません。

ということを踏まえ、「普通なら」とか「常識じゃないか」とか曖昧なことを言わず、内容・スケジュール・担当者などを明確にした文書を残し、指示は文書など証拠の残る方法と口頭指示を用いて具体的に行いましょう。

確認作業は「完璧にできたら次の仕事につながるもの」と考え、集中して行ってください。

私事ですが「見積もりの提示額が高くて難色を示されたけど確実性が決め手で受注できた」って言われるとうれしいですよ。

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